「おっぱい討論」の展覧会について   2009.10

 

めまぐるしく変化する世の中で変わらない普遍的なことがあります。それは次世代に繋げてゆくという行為であり、現象です。

この展覧会名にもなり、私の作品にも度々登場する「おっぱい」とはこういった意味合いから象徴的に表したものです。

おっぱいとは母の愛情であり、栄養であり、繁栄であり生命力の象徴的な意味を有しています。

このように一つの言葉には表面的な意味だけではなく、その言葉を構成する由来や文化など沢山の要素が含まれています。

今回の展覧会でいえば「おっぱい」という象徴的な一つの着眼点を基に新たな視点が生まれてくるように皆さんに想像して欲しいと思っています。

 

一人として同じ人間がいないこの世界で、それぞれがお互いの存在を認め合うことこそ、この人間社会を形作る上で最も大切な要素であると思います。

人は他者と同化するから繋がるのではなく個を確立するからこそ他者の価値を認めることができ、繋がることが出来るのだと思うのです。芸術という言葉を説明すると根底にあるのはこれと同じ意味になります。宗教においてもそうです。

なぜなら芸術とは個性的な表現であるから価値があるのであり、

宗教とは人の幸せを説くものです。ならば、幸せとは何かと考えれば、それぞれが自らの存在意義を感じる、肯定するということであるから。

私の近年の作風としてはこのような考え方がベースにあって、それに日本や東洋で意図的に使われてきた形や文様をというものを意識的に使用しています。自ら制作を通して体感していくことで現代に生きる私という人間を構成する要素が過去の宗教観や思想、歴史といった大いなる意思たちと意識下の感覚で繋がりたいという思いからです。その思いが同時代に生きる皆さんに繋がって欲しいと思ってます。